⚪︎基本情報
アスパラギンとはアミノ酸の一種で、アスパラガスから発見されたため、アスパラギンと名付けられました。肉類などに含まれており、神経や脳組織の細胞機能の代謝に関わり、尿の合成を促進し、有害なアンモニアを体外へ排出する働きを持ちます。
アスパラギンは、筋肉や内臓のもととなるたんぱく質の合成にも関与します。また、肝臓を保護したり、新陳代謝を活発にさせる効果があるとされています。
さらに、アスパラギンは体内でエネルギーをつくり出す「クエン酸回路(TCA回路)」に関与し、エネルギーを効率良くつくり出すことで、疲労物質である乳酸の生成を抑制し、疲労回復や、スタミナを向上させる効果を持ちます。
アスパラギンは、アスパラギン酸とアンモニアから「アスパラギンシンテターゼ」という酵素の働きによって作られます。
そのため、アスパラギン酸の摂取不足がアスパラギンの不足を引き起こしてしまいます。アスパラギンが生成されなくなると、アンモニアが処理されず、血中のアンモニア濃度が高くなります。アンモニアは、特に中枢神経系に対し強い毒性を持つため、アスパラギンを十分に摂取することは脳や脊髄で働く神経を守ることにつながっています。
⚪︎アスパラギンとアスパラギン酸の違い
アスパラギンを加水分解すると、アスパラギン酸が作られます。
アスパラギンとアスパラギン酸は名前が似ていますが、それぞれ別の物質となります。
アスパラギン酸は、エネルギーの代謝を高めたり、カルシウムやカリウムといったミネラルを全身に運ぶ役割を持った非必須アミノ酸となります。アスパラギン酸はアスパラギンと同様に、たんぱく質の合成材料に使われたり、疲労回復に働きかけたりと、スタミナの向上に役立つ成分になります。
また利尿作用もあり、体内の毒素を排出する効果を持ちます。
アスパラギン酸はアスパラガスのほか、豆類やさとうきび、牛肉などに含まれ、健康食品などにも配合されます。
⚪︎D-アスパラギンについて
アミノ酸の構造の違いによって、アスパラギンは「L」「D」に区別されます。
グリシン以外のアミノ酸には、右手と左手の関係のように、鏡に映った場合同じ構造を持つもの(光学異性体)が存在し、一方をL体、もう一方をD体と呼んでいます。
本来人間のたんぱく質を構成するアミノ酸は、すべてL-アスパラギンをはじめとするL型のアミノ酸であるとされていました。
しかし近年、人間の体内にもD型は存在し、老化に関連するということが明らかになりました。たんぱく質の中にD型のアミノ酸が発生すると、たんぱく質の機能低下を招くことが明らかになりました。
研究の結果から、80歳代の人間の顔の皮膚にD-アスパラギンが存在しましたが、子どもの顔の皮膚にはD-アスパラギンの存在は認められなかったということが判明しました。
さらに、直接紫外線が当たる顔と当たらない腹部や胸部の皮膚では、顔の方が多くのD-アスパラギンが存在することも発見されました。
このことは、紫外線の照射がたんぱく質の中でのD-アスパラギンの生成を促進する可能性を示唆しています。
⚪︎運動時の持久力を向上させる効果
アスパラギンは、体内でエネルギーを生み出すクエン酸回路に働きかけ、エネルギーの代謝を促進させてくれます。
クエン酸回路は、疲労物質をエネルギーに変換する回路になります。クエン酸回路がうまく回らないと、乳酸が蓄積し、疲労が溜まってしまいます。乳酸は筋肉疲労の原因となり、大量に蓄積されると、体の冷えや頭痛などを引き起こしてしまいます。
アスパラギンがクエン酸回路に働きかけることで、乳酸の生成を抑制し、疲労回復に働きかけてくれます。また、アスパラギンは筋肉を動かすグリコーゲンの生成を促してくれます。
グリコーゲンは、運動時の大切なエネルギー源であり、必要に応じて糖に変換してくれます。エネルギー源であるグリコーゲンが不足すると、長時間の運動に耐えることができなくなってしまいます。この2つの要因により、アスパラギンは運動時の持久力を高めてくれます。
⚪︎尿の排出を促進する効果
アスパラギン酸は体内でアンモニアと結合してアスパラギンになるため、アンモニアを安全な形で貯蔵しています。このことにより、体内でアンモニアが悪影響を与えないようにする働きを持ちます。アンモニアはたんぱく質の分解によって生じ、神経伝達物質の働きを阻害したり、脳症などを引き起こす有害な働きを持ちます。また、アンモニアはエネルギーの代謝に関わる細胞の中のミトコンドリアの働きを阻害します。そのため、アンモニアの量が過剰に増えると、疲労や組織の老化、免疫力の低下を引き起こしてしまいます。アスパラギンには、尿の合成を促進し、有害なアンモニアを外に排出する効果を持ちます。
⚪︎丈夫な体をつくる効果
アスパラギンは、筋肉や内臓をつくるたんぱく質合成に使用されます。
アスパラギンをはじめとするアミノ酸は、自然界に500種類も存在しているとされています。
その中でもヒトの体を構成するのはアスパラギンを含む20種類のアミノ酸となります。
たんぱく質が不足すると、人体を構成するたんぱく質が分解され、不足分を補おうとします。その結果、体力や免疫力が低下し、血管がもろくなります。アスパラギンは、たんぱく質を合成し、丈夫な体をつくるために必要な成分であることがわかります。