スレオニンは歴史上最後に発見されたアミノ酸で、体内で合成することができない必須アミノ酸に分類されます。スレオニンは、成長を促進する効果や、肝臓の脂肪蓄積を抑制する効果があり、飼料用の穀物に添加され、飼料の栄養価を上げる活用方法もあります。
⚪︎基本情報
スレオニンは体内で合成することができない必須アミノ酸の一種で、人間や動物の成長に関わる成分となります。
スレオニンは、自然界に存在する500種類以上のアミノ酸の中で、人間のたんぱく質を構成する20種類のうちのひとつになります。またスレオニンは飼料用の穀物に添加され、家畜の飼料に不足しがちな必須アミノ酸を補って栄養価を上げる役割ももちます。
スレオニンの日本名については、英語でthreonineと表記するため、読み方の違いで「スレオニン」と「トレオニン」の2通りあります。
⚪︎スレオニンの働きと性質
スレオニンは成長を促進したり、肝臓に脂肪が蓄積するのを抑制する効果を持ちます。また、コラーゲンを合成する際の材料として使用されるため、肌のハリを保つ効果も持ちます。スレオニンは糖原性と呼ばれる性質を持ち、体内でグルコースを生成する際の材料にもなり得るアミノ酸になります。グルコースは、人間が生きる上で必要なエネルギー源で、体を動かしたり、脳の栄養素となります。
スレオニンは医薬品としても使用されることがあり、低たんぱく質血症、低栄養状態、手術前後のアミノ酸の補給のために静脈注射、または点滴、経口摂取によって投与されます。
⚪︎スレオニンの過剰症・欠乏症
スレオニンを過剰に摂取した場合は、胃腸障害や頭痛になる可能性が高くなります。しかしスレオニンは日常の食事では、基本的に過剰になる心配はないとされています。
またスレオニンが不足すると、食欲不振や貧血、体重の減少などを引き起こしてしまいます。1日に必要とされる量は約0.5gとされています。
⚪︎脂肪肝の予防効果
肝臓に中性脂肪が蓄積すると、脂肪肝を引き起こしてしまいます。脂肪肝とは脂肪の多い食事やアルコールの飲みすぎなどが原因で、肝細胞の30%以上に中性脂肪が蓄積されている状態のことをいい、この状態が長期間続くと、動脈硬化などの生活習慣病につながる危険性が高くなります。
スレオニンは代謝を促すことによって肝臓への脂肪蓄積を防ぎ、脂肪肝を予防する効果を持ちます。
⚪︎成長を促進する効果
スレオニンは、新陳代謝を促し新しい細胞をつくり出すことで、成長を促進する効果を持ちます。身体の各機能が正常に発達するように促してくれます。
⚪︎胃炎を改善する効果
スレオニンには胃炎を改善する効果もあります。胃炎は飲みすぎや食べすぎ、アレルギーなどで胃の粘膜に炎症が起こることをさします。スレオニンは胃酸の分泌のバランスを調整する働きがあるため、胃炎を予防する効果があり、食欲を増進させる効果があります。
⚪︎美肌効果
スレオニンは、肌の潤いを保つ天然保湿成分(NMF)にも存在しています。
肌は表面から角質層、表皮層、真皮層に分けられ、角質層がウイルスや細菌などの異物から体を守り、肌のダメージを抑えてくれます。その上、肌の水分が逃げないように水分を保持します。
角質層の細胞はケラチン繊維と線維間物質から構成されており、線維間物質に肌の潤いを保持する天然保湿成分(NMF)が存在しています。スレオニンをはじめとするアミノ酸は、天然保湿成分(NMF)の約40%を占めます。肌荒れを起こしやすい人は角質層に含まれるアミノ酸が不足しているという研究結果も出ています。
スレオニンは、体内でコラーゲンを合成する際の材料となっています。コラーゲンは、肌の真皮に存在し、ハリや潤いを保つ役割を担います。これらのことから、スレオニンの積極的な摂取で肌の健康状態を保つ効果が期待できるといえます。
⚪︎髪の潤いを保つ効果
スレオニンは髪の潤いを保ち、ハリを出す効果も持ちます。
毛髪は主にケラチンと呼ばれるたんぱく質から構成されていて、ケラチンはスレオニンを含む18種類のアミノ酸から構成されます。ケラチンを構成するアミノ酸の中には、食事からしか摂取できない必須アミノ酸もあるため、偏った食事は髪の毛の美しさまで損なってしまいます。
ケラチンを構成するアミノ酸のひとつであるスレオニンは髪の潤いとハリをつくるために必要な成分となります。