マグネシウムとは生体内で約50~60%がリン酸塩や炭酸塩として骨に沈着します。残りの約40%は筋肉や脳、神経に存在しています。カリウムに次いで細胞内液に多く存在しますが、細胞外液には1%未満しか存在していません。生体内では、多くの酵素を活性化して生命維持に必要なさまざまな代謝に関与します。
食品として摂取したマグネシウムの吸収は主に小腸で行われ、腎臓で排泄されています。腸管での吸収はビタミンDによって促進され、過剰のカルシウムやリンによって抑制されています。摂取量が不足すると、腎臓でのマグネシウムの再吸収が促進されたり、骨からマグネシウムが放出されたりすることで、マグネシウムの血中の濃度を一定に保ちます。
マグネシウムは補酵素としてまたは活性中心として300種類以上の酵素の働きを助けます。エネルギー産生機構に深く関わっており、栄養素の合成・分解過程のほか、遺伝情報の発現や神経伝達などにも関与します。また、カルシウムと拮抗して筋収縮を制御したり、血管を拡張させて血圧を下げたり、血小板の凝集を抑え血栓を作りにくくしたりする作用ももっています。
⚪︎不足すると?
マグネシウムが不足した場合には、不整脈が生じやすくなり、慢性的に不足すると虚血性心疾患、動脈硬化症などのリスクが高くなる可能性があります。また、吐き気、精神障害などの症状が現れたり、テタニー(筋肉の痙攣)を起こしやすくなったりしてしまいます。さらに、近年、長期的なマグネシウムの不足が、骨粗鬆症、心疾患、糖尿病、高血圧などの生活習慣病のリスクを高める可能性が示唆されており、今後さらに研究が進められることが期待されています。
⚪︎過剰に摂ると?
マグネシウムを摂り過ぎた場合は、過剰分は尿中に排泄されるので通常の食事では過剰症になることはないです。しかし、腎機能が低下している場合には高マグネシウム血症が生じやすくなり、血圧低下、吐き気、心電図異常などの症状が現れる可能性があります。また、ダイエットや便秘などに効果があるといって摂取されている「にがり」(主成分は塩化マグネシウム)やサプリメントなど、通常の食事以外でマグネシウムを過剰に摂取すると、下痢を起こすこともあります。
必須ミネラルの一つであるマグネシウムは、体内で多くの代謝に関与する成分となります。
主にカルシウムとともに骨を形成するはたらきをするマグネシウムですが、ほかにもさまざまな役割を担います。
通常の食事ができていれば大きく不足することはないといわれていますが、一方で「令和元年 国民健康・栄養調査」によれば、平均摂取量は厚生労働省の推奨量には達していないという事が現状です。
マグネシウムは不足すると骨の形成不全や骨粗しょう症、神経・精神疾患、不整脈や心疾患、筋肉のけいれんなどを引き起こすとされています。
一方で過剰摂取の心配は少なく、たとえ摂り過ぎてしまっても、健康な人であれば余分なマグネシウムは腎臓から排泄されていきます。
マグネシウムは手軽に使える食材にも意外と豊富に含まれているので、これを機に意識して摂取してみましょう。